クリームティーとは、紅茶とスコーンのセットのことです。
さらに、スコーンにはクロテッドクリームとジャムがついてきます。
セットを注文すると、これらが必ず一緒に出てきます。
クリームティーはイギリスの喫茶店では定番中の定番アイテムと言っても過言ではないでしょう。
クロテッドクリームとは
クロテッドクリームは乳脂肪分60%前後の乳製品の呼称です。
バターよりはあっさりしていて、生クリームよりコクがある。口に入れるとさささっと溶けてしまうこのクリームは、紅茶にぴったりの逸品。 コーヒーでももちろんおいしくいただけるのですが、The Old Englishのオススメはなんといっても紅茶!
コーヒーでは香りが強すぎて、クロテッドクリームの繊細な乳の味をかき消してしまうんです。 クロテッドクリームは牛乳以外なにも添加されず作られます。うちの店では大体24時間で3日間使用分を作ります。 とても溶けやすいためお持ち帰りには適していません。
店内でだけ食べられる希少価値の高い限定品です。
白く白くどこまでも白く、上質なクロテッドクリームは輝きます。 よいクロテッドクリームは粘り気と写真のようにクラストがあります。 クラストは乳脂肪の塊です。 このクラストと下にできるクリームをざくざくとまざ合わせてスコーンに乗せます。
コーンウォール地方VSデヴォン地方
南西イングランド地方は英国一酪農が盛んな地方です。 日本では広島と大阪でどっちのお好み焼きにおいてライバル関係にありますが、それと同じことがクロテッドクリームにおいてイギリスでも起こっています。 コーンウォールVSデヴォンです。 このクロテッドクリームは、別名デボンシャー・クリーム又はコーニッシュ・クリームとも呼ばれます。 大阪風お好み焼き、広島風お好み焼きのようなもので、スコーンの食べ方にもこだわりがあります。
デヴォン式:スコーンにまずクロテッドクリームをのせてから次にジャムをのせる。
コーンウォール式:スコーンにまずジャムをのせてからクロテッドクリームをのせる。
何が違うんだよ、と突っ込みたくなりますが、地元の人に言わせると、違うんだそうです。
余談ですが、デビちゃんはコーンウォール出身なので、やはりジャムが先かと横目で何度か検証しましたが、クロテッドクリームを先に乗せています。
ただ、コーンウォールの言い分も一理あって、スコーンは少し温かい状態で出てきます。
クロテッドクリームは脂肪分が高くとても溶けやすいため、直にスコーンに置くデヴォンスタイルだとクロテッドクリームが溶けてしまうそう。
そこで、先に冷たいジャムを置いてからその上にクロテッドクリームをのせることで、本来のクロテッドクリームの味を全て味わえるのだとか。
The Old Englishでは乗せやすいデヴォンスタイルでおすすめしていますが、ツウなお客様は次回ご来店時にコーニッシュスタイルを試してみてもいいかもです。
ちなみに、過去にBBCが行った調査によるとイギリス人が死ぬまでに食べたいもののベスト19にランクインしているそうです。 低いのか高いのか微妙な位置ですねえ。
写真は2018年にイギリスのコーンウォール地方で食べたクリームティー。
いろいろな喫茶店を訪れて、自家製のスコーンとクロテッドクリームを味わうのはイギリスでの楽しみのひとつです。
Comments